住宅ローンをどの工務店に頼むのか

住宅の依頼先として、工務店は根強い人気があります。戦前までは、住宅を建てる場合は大工の棟梁に依頼するのが一般的でしたので、大工の棟梁が創業者であることの多い工務店に注文住宅を依頼するのは当然と言えなくはありません。戦後はハウスメーカーや不動産デベロッパーの台等により工務店のシェアが奪われはしまいたが、依然として新築における工務店のシェアは群を抜いています。

工務店は宣伝等が控えめなために、住宅ローンの世話をしてくれる工務店を探すのに苦労することがあります。Webページで検索しようにも、多くの工務店はWebページを公開していません。工務店を探す場合のポイントは紹介者を見つけることです。工務店は地元に密着しているところがベストなので、地元の情報を集めて紹介者を探すことが一番です。適当な紹介者が見つからなければ、設計事務所を通すのも良い方法です。設計を設計事務所に依頼し、工事はその設計事務所から紹介を受けることで、住宅ローンの紹介がしてもらえる工務店を選ぶことができます。

設計事務所を間に入れずに単独で工務店に依頼したい場合は、建設業許可を受けているかどうかを調べる方法が効果的です。建設業許可は工事の種類ごとに受けるシステムとなっており、住宅の建築を担当する能力がある工務店は、建築一式工事の建設業許可を受けた工務店です。建築一式工事の建設業許可を受けている工務店であれば、住宅ローンの世話もしてくれるはずです。建築一式工事ではない、専門工事の建設業許可しか受けていない工務店は、注文住宅を請け負う能力は低いと考えられます。また、1件当りの工事金額が1,500万円以下の住宅建築を行う工務店は、建設業許可を受ける必要がないとされています。小規模な工務店は、ローンの相談まではしてくれないのが一般的です。

ハウスメーカーでは住宅ローンの紹介や段取りをしてくれるところもありますが、工務店は本来、建築工事の施工を行う会社で、住宅ローンの手続き等に慣れていないことも予想されます。住宅ローンはあくまでも、利用者と金融機関の話し合いにより決まることなので、利用者が直接金融機関に出向いて相談するのが近道となります。ハウスメーカーにしても、金融機関との折衝まではやってくれないので、工務店に住宅ローンを頼んだ場合とさほどの違いがありません。金融機関の融資を受けるためには、必要な書類に記載しなければならないことがあり、その中には技術的なことも含まれます。技術的な内容に関しては、工務店に質問すれば答えてくれます。しかし、書類の作成等は依頼者が自分で行う必要があります。